目次
HACCP 7原則12手順をわかりやすく解説!
今日から始めるHACCP入門
「食の安全を守るHACCP。でも、7原則12手順って聞くと、なんだか難しそう…」そう思っていませんか?
この記事では、HACCPの基本を初心者さんにもわかりやすく解説します!

手順1 :HACCPチームの編成
HACCPを始めるには、まず「HACCPチーム」を作ることが重要です。食品の安全を守るために、現場をよく知るメンバーが協力し、ルールを決めていきます。
🌟HACCPチームに必要なメンバー
✅ 社長・工場長(方針を決める)
✅ 製造責任者(現場の作業を把握し、安全を確保)
✅ 仕入れ・購買担当者(原材料の安全性をチェック)
✅ 設備管理担当者(機械や温度管理を担当)
品質管理担当者がいない場合は、製造責任者や工場長が兼任することもあります。
HACCPチームの役割
- 製造工程の見直し:危険な場所を特定
- ルール作りと実行:安全作業の基準を決める
- 記録と改善:問題に対応し、改善策を実行
HACCPチームのポイント
📌 1人で進めない! チームで協力(2〜3人が理想)
📌 定期的に集まる(月1回の会議が目安)
📌 基本を学ぶ(社長や工場長がリーダーになるのがベスト)
💡まずは、「HACCPって何?」をチーム全員で学び、できるところから始めましょう。
手順2・3:製品説明書の作成と意図する用途の確認
HACCPを進めるためには、 製品の情報を正確に整理 することが大切です。そのために 「製品説明書」 を作成し、 意図する用途や消費者を明確 にしましょう。
製品の安全を守るために、 まずは製品の基本情報をしっかり書き出す ことが重要です。
🌟製品説明書に記載すべき項
✅ 製品の名称及び種類(正式名称・商品名)
✅ 原材料に関する事項(水・食品添加物・アレルギー情報)
✅ 添加物の名称とその使用量(使用基準を守る)
✅ 製品の規格(成分規格や製造基準)
✅ その他の特性(pH、糖度、二酸化炭素圧など)
✅ 保存方法(直射日光・高温多湿を避けるなど)
✅ 消費期限又は賞味期限(製造日からの期間を明記)
✅ 対象者(一般消費者、高齢者向け、業務用など)
なぜ製品説明書が必要なのか?
📌 現場全員が同じ情報を共有できる!
→ 「思い込み」で作業すると安全管理が不十分に。明確な基準を記載しましょう。
📌 適切な管理基準が設定できる!
→ 例えば 子ども向けの商品 なら、添加物やアレルギーの管理を厳格に。
📌 監査や取引先への説明がスムーズ!
→ 書類をしっかり作っておけば、 取引先からの信頼 もアップ!
💡まずは、製品の情報を整理し、分かりやすくまとめることから始めましょう!
手順4:製造工程一覧図の作成
HACCPを進めるためには、まず 製造の流れを整理 することが重要です。そのために作成するのが 「製造工程一覧図」 です。
製造工程一覧図を作ることで、 どの工程にリスクがあるかを明確にし、安全対策を決めやすく なります。
🌟製造工程一覧図の作成手順
✅ 作業の流れを洗い出す
工場内の作業を順番に整理し、原材料の受け入れから出荷までの流れをまとめます。作業の抜け漏れがないように注意します。(抜け漏れが多い原材料:使用水・食品添加物・ガス等)
✅ フローチャートを作成する
作業の順番を図にし、見やすく整理します。1つの作業ごとに工程を分け、誰が見ても分かるようにすることが大切です。
✅ チームで確認し、修正する
実際に現場で働く従業員と一緒に確認し、間違いや抜けがないかをチェックします。工程が正しく反映されているかを確かめながら修正を行います。
なぜ製造工程一覧図が必要なのか?
📌 危害要因の分析がしやすくなる
異物混入や微生物汚染のリスクがどの工程で発生しやすいかを事前に把握できます。
📌 作業の標準化につながる
作業の流れを明確にすることで、従業員全員が統一した方法で作業を進められるようになります。
📌 取引先や監査対応がスムーズになる
製造工程を明確にしておくことで、外部の監査や取引先からの確認に対応しやすくなります。
💡まずは、現場の流れを整理し、分かりやすい製造工程一覧図を作成してみましょう。
手順5:製造工程一覧図の現場確認
製造工程一覧図を作成したら、次に「現場での確認」が必要です。実際の作業が一覧図と一致しているかをチェックし、ズレがあれば修正します。
🌟なぜ現場確認が必要なのか?
製造工程は、現場での実際の作業と一致していなければ意味がありません。現場での手順が変わっていたり、一覧図に漏れがあると、HACCPの管理が正しく機能しなくなる可能性があります。
現場確認のポイント
📌 一覧図の手順と現場の作業が一致しているか確認
📌 実際の作業を担当者にヒアリング
📌 変更点があれば一覧図を修正
📌 設備の配置や動線も確認し、効率的な管理を検討
📌 確認後は、工程図に現場確認日時と責任者名を記載する
💡HACCPの基礎となる製造工程一覧図は、現場の状況を正しく反映することが重要です。図面だけでなく、実際の作業を見ながら調整し、確実に運用できるようにしましょう。
手順6:危害要因分析(原則1)
HACCPの最初のステップは「危害要因分析」です。ここでは、食品の安全を脅かす可能性のある問題を洗い出し、どこで発生するかを考えます。
🌟危害要因とは?
食品に悪影響を及ぼす可能性のある要素のことを指します。主に次の3つに分類されます。
✅ 生物的要因(細菌・ウイルス・カビなど)
✅ 化学的要因(洗剤・農薬・食品添加物の過剰使用など)
✅ 物理的要因(金属片・ガラス・プラスチック片など)
危害要因分析の進め方
📌 原材料から出荷までの工程を確認
すべての製造工程を見直し、どこで危害が発生する可能性があるかをチェックします。
📌 過去の問題を参考にする
これまでに発生したクレームや事故の記録をもとに、リスクが高い部分を特定します。
📌 外部の情報を活用する
業界のガイドラインや行政機関の資料を参考にし、見落としがないか確認します。
💡危害要因分析を行うことで、事前にリスクを把握し、食の安全を守るための対策を立てることができます。
「どこにどんなリスクがあるのか?」を明確にし、安全な製造環境をつくる第一歩となります。
手順7:重要管理点(CCP)の決定(原則2)
危害要因分析が終わったら、次は「重要管理点(CCP)」を決めます。CCPとは、食品の安全を確保するために特に厳しく管理する必要があるポイントのことです。
🌟CCPを決める理由
食品製造には多くのリスクがありますが、そのすべてを厳格に管理するのは現実的ではありません。本当に危険な工程を特定し、そこを重点的に管理することで、効率よく安全性を確保できます。
CCPの例
✅ 加熱(細菌を殺菌するため)
✅ 金属探知機(異物混入を防ぐため)
✅ pH・塩分濃度の管理(菌の繁殖を抑えるため)
CCPの決め方
📌 どこで危害を防げるか?
例えば、生肉を加熱する工程では、しっかり火を通すことで細菌を殺菌できます。このように「ここで管理しないと危険」というポイントを見極めます。
📌 管理しなければ食品の安全が守れないか?
問題が発生したときに、ほかの工程でリカバリーできない場合はCCPになります。 たとえば、加熱不足のまま包装されると、後から修正することができません。
📌 数値で管理できるか?
「何度で加熱するか」「何秒間加熱するか」など、具体的な基準を設定できることもCCPの条件です。
💡CCPを適切に決めることで、食品の安全性を確保しながら、無駄のない管理を実現できます。
すべての工程を厳しく管理するのではなく、「ここを押さえれば安全!」というポイントを見極めることが重要です。
手順8:管理基準(CL)の設定(原則3)
CCP(重要管理点)を決めたら、次はそのポイントをどのように管理するかを決めます。
この具体的な基準を「管理基準(CL:Critical Limit)」といいます。
🌟管理基準(CL)とは?
CCPを適切に管理するために、「ここを超えたら危険」「この範囲なら安全」という数値を設定することです。
例えば、ハンバーグを製造する工程では、加熱温度が適切でなければ食中毒のリスクがあります。
この場合、「中心温度75℃・1分以上」という管理基準を設定すれば、安全が確保できます。
管理基準の例
✅ 加熱 → 中心温度75℃・1分以上
✅ 冷却 → 中心温度を60分以内に10℃付近まで冷却
✅ 金属検出機 → 鉄0.5mm、ステンレス0.8mm以上を検出
管理基準の決め方
📌 科学的根拠に基づくこと
法律・ガイドライン・過去のデータなど、根拠のある数値を設定します。
📌 測定できること
温度・時間・pH・塩分濃度など、数値で管理できる項目を選ぶことが重要です。
📌 厳しすぎず、緩すぎないこと
基準が厳しすぎると現場の負担が増え、緩すぎると安全が確保できません。
💡実現可能な範囲で、食品の安全を守れる基準を決めます。
管理基準がないと、どこまで管理すれば安全なのかが分かりません。
適切な基準を決めることで、誰が見ても分かるルールを作り、確実に安全を守ることができます。
手順9:モニタリング方法の設定(原則4)
管理基準(CL)を守るためには、**モニタリング(継続的な確認作業)**が必要です。
モニタリングは、問題が発生する前に異常を発見し、速やかに対応するための重要な工程です。
🌟モニタリングとは?
✅ 連続的、または適切な頻度で実施できる
✅ 結果がすぐに分かる方法を採用する
✅ 異常が発生した場合、すぐに対応できる体制を整える
モニタリングの例
✅ 加熱工程(CCP)
→ 製造担当者が毎バッチごとに中心温度を測定し、記録する
✅ 冷蔵庫の温度管理
→ 温度計を設置し、1日2回(朝・昼)責任者が記録する
✅ 金属探知機の動作確認
→ 作業開始前と1時間ごとにテストピースを通して正常に検知するか確認する
モニタリングのポイント(5W1H)
📌 Why(なぜ) :科学的根拠に基づき、リスク管理の妥当性を確保するため
📌 When(いつ) :管理基準が影響を及ぼすタイミングで行う(例:加熱後、冷却中)
📌 Who(誰が) :現場担当者・製造責任者など、決められた人が行う
📌 Where(どこで):CCPに設定した重要管理点(例:加熱工程、冷蔵庫)
📌 What(何を) :管理基準が守られているかを数値で確認(例:温度、時間)
(例:加熱温度は病原菌を死滅させる温度を基に設定)
📌 How(どのように):温度計・タイマー・記録シートなどを活用し、速やかに結果を記録する
💡モニタリングを適切に行うことで、異常を早期に発見し、製品への影響を最小限に抑えることができます。
また、記録を残すことで、適切な管理を行っている証拠となり、取引先や行政の信頼を得ることにつながります。
手順10:是正処置の設定(原則5)
モニタリングの結果、管理基準(CL)を満たしていないと判明した場合は、すぐに対策を行う必要があります。
この対応を**「是正処置」**と呼び、不適合製品を流通させないための重要な手順です。
🌟是正処置とは?
✅ 異常が発生したら、すぐに対応を開始する
✅ 原因を特定し、問題の影響範囲を確認する
✅ 安全が確保できない製品は出荷しない
✅ 再発防止のために手順の見直しを行う
是正処置の例
✅ 加熱不足(中心温度が基準未満)
→ 再加熱し、基準を満たしたら出荷可能。基準未満の場合は廃棄
✅ 冷蔵庫の温度が上がりすぎた
→ 影響のある製品を特定し、安全性を確認。安全が確保できない場合は廃棄
✅ 金属探知機が異常を検出
→ 製品を選別し、異物がある場合は除去または廃棄
是正処置の流れ
📌 異常の発見 → モニタリングで管理基準を満たしていないことを確認
📌 影響範囲の確認 → どの製品に影響があるのかを調査
📌 対策の実施 → 再処理・廃棄・設備調整などの対応を行う
📌 記録の作成 → 是正処置の内容と結果を記録に残す
📌 再発防止 → 再発しないように管理方法を見直す
💡管理基準を超えた製品をそのまま出荷すると、食中毒や異物混入などの重大な事故につながる可能性があります。
また、行政や取引先からの監査時に適切な対応を証明するためにも、是正処置の記録は必須 です。
手順11:検証の実施(原則6)
HACCPの計画が正しく機能しているかを定期的に確認することを「検証」といいます。
検証を行うことで、HACCPの仕組みが効果的に運用されているかを確認し、必要に応じて改善できます。
🌟検証の目的とは?
✅ HACCP計画が正しく実施されているか確認する
✅ 管理基準(CL)が適切か評価する
✅ モニタリングや是正処置が有効に機能しているかチェックする
検証の方法の例
📌 記録の確認
モニタリングや是正処置の記録を見直し、適切に対応されているかをチェック
📌 製品の抜き取り検査
微生物検査や理化学検査を実施し、製品の安全性を確認
📌 作業の観察
現場での作業手順がHACCP計画通りに行われているかを確認
📌 内部監査の実施
社内でHACCP計画全体を点検し、問題点を洗い出す
📌 外部監査の受審
取引先や第三者機関の監査を受け、客観的な評価を得る
💡HACCPの計画を作っても、実際に機能していなければ意味がありません。
検証を行うことで、問題点を発見し、より安全な仕組みへ改善することができます。
また、取引先や行政の監査に備え、HACCPが適切に運用されていることを証明するためにも検証は重要です。
手順12:文書化と記録の管理(原則7)
HACCPを確実に実施するためには、**「いつ・誰が・どのように管理したのか」**を記録し、保存することが重要です。
記録を残すことで、適切な管理が行われていたことを証明できるため、万が一のトラブル時にも迅速な対応が可能になります。
🌟記録の種類
✅ HACCPチームメンバー表(役割と責任を明確にするため)
✅ 科学的裏付け(危害分析や管理基準の根拠)
✅ 管理手段の妥当性(CCPや管理基準が適切かを示すデータ)
✅ CCP計画の変更履歴(管理基準や手順を見直した記録)
✅ CCPモニタリング記録(温度・時間・異物チェックなど)
✅ 是正処置の記録(基準を超えた場合の対応内容)
✅ 検証の記録(内部監査や製品検査の結果)
記録の管理方法
📌 記入ルールを決める(誤記の修正方法・担当者の署名など)
📌 適切な期間保管する(製品の流通期間+αが推奨)
📌 必要に応じてデジタル管理を導入する(効率化・紛失防止)
💡HACCPの記録は、**「安全な食品を作っている証拠」**となります。
取引先の監査や行政の指導に対応するためにも、日々の記録を確実に残すことが重要です。
また、記録を見直すことで、作業の改善点を発見し、より良い管理方法を確立することも可能になります。
…とはいえ、HACCP導入は、やはり自社だけで進めるには少しハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。もし、少しでも不安な点や疑問がありましたら、ぜひ一度お話をお聞かせください。あなたの会社の状況を丁寧にヒアリングし、最適なHACCP導入プランを一緒に考えさせていただきます。
本記事は、厚生労働省や食品産業センターなどが公開する情報を参考に、HACCPの7原則12手順について1歩Plus+(いっぽぷらす)がまとめたものです。