「手洗いしていますか?」と聞かれたら、多くの人が「はい」と答えるでしょう。しかし、実際には「ちゃんと洗えていない」「そもそも洗っていない」人が多いのが現実です。食品製造や飲食業に関わる皆さんにとって、手洗いは食中毒を防ぐための最も基本的な衛生管理の一つ。ですが、忙しさや習慣の問題で、適切な手洗いが実施されていない現場が多く見受けられます。

手洗いの方法で細菌の残数は変わる!

手には目に見えない細菌が大量に付着しています。適切な手洗いを行うことで、どれほど菌を減らせるでしょうか?

意識せずに手洗いした後の菌
  • 手洗い前 → 約1,000,000個(100%残存)
  • 水洗いのみ → 約10,000個(1%残存)
  • 石鹸で10秒洗い→水洗い15秒 → 約100個(0.1%残存)
  • 石鹸で60秒洗い→水洗い15秒 → 約10個(0.001%残存)
  • 石鹸で10秒洗い→水洗い15秒×2回 → 数個(0.0001%残存)

(出典:熱海市食品コラム)

上記の数値は 1g中です。ノロウィルスは10〜100個ので感染すると言われています。1gは手のほんの一部なので手に付着していた場合は、感染が広がってしまいますね。

忙しい現場では、手洗いを省略することも少なくありません。しかし、手洗いを怠ることで、食材や調理器具を通じて細菌が拡散し、食中毒リスクが高まります。

どこが洗えていない?

しっかり手を洗ったつもりでも、洗い残しが多い場所があります。

  • 指の間
  • 手の皺
  • 爪・指先・関節
  • 手首

実際に蛍光塗料を使ったテストでは、手のひらや指先に洗い残しが多いことが可視化されています。私の経験では、写真の手首の洗い忘れが多いように感じています。これらの部分に汚れが残ると、食材や食器を介して菌が広がりやすくなります。

手洗いの意識が変わると、会社も変わる

「ちゃんと洗えているはず」と思っていたら大間違い。適切な手洗いの指導をしなければ、現場では形だけの手洗いが横行し、衛生管理の甘さがクレームや事故につながります。

HACCPに基づいた正しい衛生管理を取り入れることで、手洗いの意識が高まり、

 ✅ 食中毒リスクの低減

 ✅ 従業員の衛生意識向上

 ✅お客様からの信頼獲得

 ✅保健所の指導対策

 ✅会社のブランド価値向上

といったメリットが生まれます。

「うちの従業員は本当に手を洗っているのか?」

「衛生管理のレベルを上げたいが、どう指導すればいいのか分からない」

そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

正しい手洗いで、企業の信頼を守る第一歩を踏み出しましょう!

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